読みました。
どうにもこうにも面白いのですが、リアルに考えると、何しているんだろうと思ってしまいます。以下、容疑者Xの献身のネタバレを含まないように感想を書きます。
ああ、森博嗣を読む前なら楽しめたのかもしれない。そんなことを考えた。
まああの、女の人なんですけどね、うん、いろいろあってなかなか変だなと感づくんですけれど、鈍すぎないか？と思う訳ですよ。娘は気がついてほら最後にあれしちゃうじゃない？ね？もっと前に本人は気づくはずですよね？その辺どうなんでしょ？やっぱり無意識レベルでは薄々わかっていたけど表層意識が否定したかったってやつなんでしょうか。うむうむ？その読みにのれば、まあありかなって気もします。
でもね、でもね。一緒に地獄に堕ちるってのは違うと思うんですよ。それは、奥さん楽な道ですよ。あえて、あえてね耐え忍ぶ道。これが本当の地獄ですよ。献身なあの人の思いを叶える道。これがあるべき、背負うべき罪なんじゃないでしょうか。
さらにいうと、そのね耐え忍ぶ道を進む決心をしていたのにあの、おせっかいがいらぬことを言うものだから、告白せざるを得なくなった、そういう読みもアリかと思いますね。まったく何をしているのやら。本当におせっかいな奴です。こういう人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて死んでしまえといいますが、まったくそうですね。
えっとつまりどんでん返しが足りないと、そういうことになるつまるところ、森博嗣的なひねりを要求しておる訳で、ああ、もう本当に中毒だね。
