なんだこれは

はてなダイアリーから移転しました。

世界の意思とパラレルワールドあるいは書き直しの原稿の山

えっとーもいちどあなたにあいたいなで澪湖の問いについての駄文です。

あの。
とても単純で、とても根源的な、疑問。
”世界”なんていう、訳の分からないものは、あの”意思”をもっていたり、するんでしょうかね……。
isbn:9784103858027もいちどあなたにあいたいな新井素子著 p202

世界に意思があるのでしょうか?

世界と意思

”世界”とは語られるモノであって、それは物語といわれ、お話ともいう。語られる、故に語り手が存在することを想定してよいと思われる。
つまり世界という物語を今現在、何かが”語っている”状況を想定する。澪湖はその”世界”の登場人物である。ここでは特に語り手を”神”と呼んだり、”偉大な知性”と呼んだり、”偉大なスパゲッティモンスター様”と呼んだりしてもよいが、我々は知っている。それは新井素子嬢に他ならない。ただし、澪湖は知らないため、語り手と書く。
物語を語る語り手にはそれなりの目的なり意思があって”語って”いるのではないだろうか?意識的にか無意識的にかの部分はあるが、その話自体の意思が。正しく言うと、話と成立する条件が、スジが通る/書き上がるという条件が。その意思が”世界”の”意思”だと思われる。しかし、その”意思”は澪湖には、強制的な力を与えざるをえない。それは運命と澪湖には映るのかもしれないが、そこには確実に伏線がある。あるはずである。
つまり登場人物は物語律に乗っ取って、伏線を読めば、先が読めるはずである。

パラレルワールドあるいは書き直しでいっぱいの山

あとがきでも書かれていたが、新井素子嬢は書き直しが大好きである。ハッピーバースディを読むとよくわかる。あとがきを見ればよくわかる。何回も何回も別バージョンを作っている。似通った話を。
今回は8年間も。それって似通った世界であって、パラレルワールドと言える。一つ一つの話が、それぞれパラレルワールドであって、それはつまりそれらの話が今回の本になっていないだけで、やまとばちゃんにパラレルワールドトリッパーに必要だった。そうとしか思えない。