なんだこれは

はてなダイアリーから移転しました。

オープンソースのライセンスを守る理由がわからない人が大勢いるようだ

オープンソースのライセンスを守らないといけないのはなぜか

オープンソースのライセンスを守る理由がわからない人が大勢いるようだ

仕事でもプライベートでもオープンソースソフトウェアのライセンスはなぜ守らないといけないのかを理解していない人によくであう。あまりにもよく出会うので、平均的な人間は理由を意識せずにライセンスは守らないといけないらしいと思っている人に出会うのだろう。私だけじゃないはずだ。 ~~ 私だけじゃない、私の周りだけじゃないはずだ、そうじゃないとイヤだ。 ~~

この文章はオープンソースなどのライセンスを守った方がいい理由を説明します。

三段論法

基本的には次の三段論法で説明ができる。

  1. 他人のものを無断で使ってはいけない
  2. オープンソースソフトウェアは他人のものである
  3. オープンソースソフトウェアは許可を出している

1. 他人のものを無断で使ってはいけない

他人のものを無断で使ってはいけないというのはわかってもらえると思う。基本的に他人のものを無断で使ってはいけない。うん、あたりまえですよね。「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」 といったジャイアニズムは文明国では受けいれがたいですよね。 公開されているから、ダウンロードすれば自分のものになるっていうのはありえないですよね。

法律面からおさえてみましょう。 オープンソースソフトウェアはプログラムの一種、つまり著作権法で保護される創作物です。これは 著作権法(e-gov) の 第10条 著作物の例示をみればかいてあります。プログラムの著作物ですね。 そして、 第17条から 第29条にどのような権利があるかがかかれています。例えば複製権はプログラムをコピーする権利ですが、これは著作者が専有するとあります。つまり、オープンソースソフトウェアは著作者(と貢献者)だけがコピーできるということになります。そうあなたには著作権法条権利がないことになります。

2. オープンソースソフトウェアは他人のものである

では確認ですが、あなたは、オープンソースソフトウェアの著作者でしょうか? 違いますよね。著作者ではないですよね。そもそも貢献者になろうにもダウンロードした時点で複製していますし、貢献というのは、修正になるわけです。それは著作権法条、権利がないです。

3. オープンソースソフトウェアは許可を出している

ではオープンソースソフトウェアは編集や複製ができないのでしょうか。そうではなく、著作者がライセンスで許可しているのです。オープンソースソフトウェアのライセンスを見てみましょう。例えば MIT License を例とします。

Copyright <YEAR> <COPYRIGHT HOLDER>

Permission is hereby granted, free of charge, to any person obtaining a copy of this software and associated documentation files (the "Software"), to deal in the Software without restriction, including without limitation the rights to use, copy, modify, merge, publish, distribute, sublicense, and/or sell copies of the Software, and to permit persons to whom the Software is furnished to do so, subject to the following conditions:

The above copyright notice and this permission notice shall be included in all copies or substantial portions of the Software.

THE SOFTWARE IS PROVIDED "AS IS", WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING BUT NOT LIMITED TO THE WARRANTIES OF MERCHANTABILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE AND NONINFRINGEMENT. IN NO EVENT SHALL THE AUTHORS OR COPYRIGHT HOLDERS BE LIABLE FOR ANY CLAIM, DAMAGES OR OTHER LIABILITY, WHETHER IN AN ACTION OF CONTRACT, TORT OR OTHERWISE, ARISING FROM, OUT OF OR IN CONNECTION WITH THE SOFTWARE OR THE USE OR OTHER DEALINGS IN THE SOFTWARE.

MIT ライセンスは、次のような構成になっています。

  1. あなたが以下の条件を満す場合に、使用(use)、複製(copy)、修正(modify)...などを許可します。
    1. 著作権表示とこの許可をソフトウェアのコピーまたは重要な箇所に含めること
  2. このソフトウェアは無保証です。

つまり、ライセンスにかかれている条件の範囲内でのみ、例外的に、著作権法などで禁止されていることを許可しています。ライセンスにかかれている条件を満足しない場合はただの著作権法違反です。

まとめ

オープンソースソフトウェアはその著作者がライセンスで、修正や複製などの許可を出しています。その許可は無制限ではなく、ライセンスで指定されている範囲内に限定されています。

つまりオープンソースソフトウェアを利用するなら、

  1. ライセンスで指定されている条件の範囲内とする。
  2. そうでないなら著作権法違反

というだけです。ライセンスで指定されている条件をあとで知ったなどの事情は関係ありません。利用する前からライセンスを確認しておかないとあとでとんでもないことになる。それだけなのです。そんな条件ならこのビジネスで収益が見込めないなら、それはそのオープンソースソフトウェアを利用しない方がいいのです。別のオープンソースソフトウェアを検討するか、購入するか、自分たちで実装するかですよ。

なお、購入したソフトウェアやハードウェアの中にオープンソースソフトウェアがはいっていたなんて知らなかったは通用しないので注意しましょう。